3年サイクルで異動する仕事
市役所というところは3年毎に異動がある、基本的に。
ひとえに公務員といっても、国や県と違い、
市役所の場合は、その市の中での異動となる。
また、自分は土木職として働いているため、
異動先で従事する仕事は、土木関係の可能性がめっぽう高いが、
たま~に違うところもあったりする。
(例:古墳関係とかある。なにすんの?謎である。)
自分自身、
いままで約8年間働き、まだ2度の異動しか経験していないが(=3つめの職場)、同じ職場で過ごす3年間のスタンスというか意気込みというか、そういった大枠が見えたので記録する。
なお、このスタンスは若手〜中堅(10年目くらい?)マインドだと思う。
さっそく、まずは異動1年目。
~1年目~
職場に慣れ、なるべく早いうちに戦力になること
仕事内容その他は、部署によって沖縄と北海道くらい違うため、まずは慣れよう。
…いや、それは言い過ぎかもしれないが、それでもイモリとヤモリくらいは違うのだ。
(…結構違う。)
仕事内容がガラッと変わることももちろんあるし、
似ている場合でも、そこで保存されてる資料の場所だとか、
地元や関係先との距離感や忙しい周期、
職場内の雰囲気、
気候条件、
…などなど
細かいアンテナをはっていたら、それらが早い段階で分かる。
それを機敏に感じ取り、慣れることが大事。
~2年目~
変革せよ ←イマココ
慣れてくると見えてくる、目を凝らさずとも見えてくる。
不必要な書類の保存、明らかに2度手間となるような仕組み
デジタル化したつもりになって手間が増えた事務作業
主に事務作業に潜む、ムダムダムダの嵐。
それらを変えていこう。
分かりやすくできる仕組み化できれば
最初に時間かかっても長い目で見れば絶対お得!
常に、なぜ?なぜ?と考えること、大事よ。
さあ変革だ!
~3年目~
継続
2年目で変革させたことを定着させる。
(3年目も引き続きもいろいろ変えていくんもありかな…。)
実は続けることが結構難しい。
結局続かないと意味がない、中途半端にやってると、元に戻ったり、かえって前より悪くなることもしばしば。
職場に潜む時代逆行アナログ人間に習慣・仕組として植えこもう。
今年度もあっという間にあと3か月、
せっせと改革に取り組もうぜー!
大掃除はスマホにも
「限定品のコレクション」
「若い頃着たお気に入りの服」
…
もう使わない。けれど、捨てられないモノ。
人は皆、いらないけど捨てられないモノを持っている。
そして今の時代、それはスマホの中にもあったりする。
僕のスマホの中にもある。
『にゃんこ大戦争』だ。
《にゃんこ大戦争、10周年おめでとう。》
スマートフォンアプリである(※1)にゃんこ大戦争とは、自陣の城から、キモかわ☆にゃんこ軍団を出陣させ、敵の城を攻め落とすことで日本や世界を侵略していくゲームだ!育成要素、戦略要素もあるゾ!
(※1 Switchや3DSでも発売されているみたいだ。)
…
一時期、
俺は狂ったように、にゃんこ達と日本、いや世界征服に明け暮れていた。
たしか、大学生になったばかりの頃にはまり、
社会人になってから再度はまっていたのだ、が、
しかし、ここ1年はにゃんこたちと共に戦うことは無くなってしまった。
ホーム画面では、にゃんこアイコンが寂しそうにこちらを見ている。
…にゃんこに飽きたのだ。
その結果、『にゃんこ大戦争』はスマートフォンの容量を圧迫し続けている。
これが地味にイタイ。長時間の動画撮影が困難なのだ。
「アプリ消せば?」
まったくもって、ベストアンサーである。
アプリを消せばいい。指一本で5秒あれば消せる。
消せば、いいんだ…。
…消せない。
にゃんこ達、ここまで育てたのに…。
ここまで宇宙侵略したのに…。
この軌跡を、思い出を、無にすることができない。
「でも、もうしないんでしょ。」
たぶん、そうだ…。
もうしない。
でもな~ちょっとだけ課金もしたしな~~~。
冷え込んだ朝晩には、白い息が出るようになった。
2022年もあと少し。
大掃除は進んでいますか。
僕は、まだです。
身の回りのモノだけでなく、スマホの中のモノにも目を向けないといけないと思った。
今年中にお別れを告げようと思う。
それでは。
連続無事故日数をのばぜ
先日、珍しく出張があった。しかも東北にて。
東北地方には、片手で数える程しか行ったことないが、人々が扱う独特の訛りには毎度癒されるものだ。
長時間の移動を終え、降り立った駅。
澄んだ空気で肺を膨らませた。広がる空に包み込まれそうになる。
どこか時間の流れがゆるやかに感じる。
出張は金曜日だったので、
その地で一泊し、翌日はレンタカーを借り周辺を回ることにしていた。
翌朝、曇り空から時々太陽がのぞく。
この時期にしては暖かいようだ。
ホテル近くのレンタカー屋に到着し、手続きも終わりに差し掛かった頃、
担当してくれた女性店員が諭すように語りかけてきた。
受付女性「最近事故があっだので、気をづげてぐださいね。」
あ、訛ってる。かわいい。
…え?事故?かわいくない。
訛っている店員さんは、諭し終えると同時に目線を横にうつす。
その視線の先には「連続無事故日数」をお知らせしてくれる看板が、控えめに置いてあった。
こんなやつ ↓
参考画像は110日連続で無事故みたいだが、レンタカー屋の連続無事故日数はというと…
「4日」
短っ…
ほんまに最近事故があったようだ、しかもド平日に。
興味本位で聞いてみた。
自分「4日前に事故あったんですね~。ちなみにその前は無事故何日続いたんですか。」
店員さん「さぁ何日だったですがねぇ。でもね、前の事故も最近のごどですよ。無事故ってなかなか2桁続かんのですよ~。(遠い目)」
さも当たり前のように無事故は2桁続かないと豪語する店員さんだが、その表情にはどこか悲壮感なるものを感じた。
店員さんが醸し出す雰囲気。どこか未亡人のような哀愁に飲まれそうになるが、なんとか踏みとどまり冷静に考える。
いやいや、ちょっと待ってくれ。
2桁続かないとかあるん?小学生の大縄跳びの方がまだ続くよ?
あとその遠い目ヤメロ。
…事故が多いとなると、もう一つ確認しなければならない。
自分「もしかして、この県の人たちって運転マナー悪いんですか。」
この質問は県民全員をもれなく敵に回す恐れがある。
しかし、とても大事な確認である。
なぜなら、単に運転下手くそが事故ったのか、はたまたここが修羅の国なのか。
それを知っておかなくてはならない。対策を立てねばならない。
願わくば、この地は安全運転の文化であれ。
ここ最近はたまたま運が悪かっただけだと言ってくれ。
そう願う自分に対し、店員さんは目を見開きカウンターから身を乗り出し気味に言う。
「ぞうなんですよ~~!マナーわるいでずからね!!!」
修羅の国だった。
背筋にぞっと寒気が走った。これが東北の寒さか。
免責補償を一番いいやつにしておいて良かった。
車体に乗り込む前の確認には、いつもの倍の時間をかけた。
「ぎをづけでぐださい。」
もはや訛りなのか、安全を願う悲鳴なのかが分からなくなってきた。
ただ、おかげさまで教習所以来の安全運転を東北で披露し、無事故・無違反で旅を終えることができた。
ありがとう、訛り。ありがとう、無事故カレンダー。
…でも、確かに県民の運転マナーは悪かったなぁ。
車体に傷一つ付けなかったことをさきほどの店員さんに報告すると、優しく微笑んでくれた。
そこは訛ってくれよ…。
これを書く頃には、連続無事故日数が2桁続いていますように。
それでは。
ジムに行け、今すぐ。
ジムで体を鍛えることがダサいと思ってたあの頃の俺へ。
ジムってええぞ。
今の俺より
ジム始めました。
入会金がばかみたいに安くなるキャンペーンに吸い寄せられた嫁に誘われ。
アンチジム時代だった若かりし頃は
走るなら自然を、筋力つけるなら自然で。
山賊みたいな考えを持っていたせいでジムで鍛えるという選択肢はなかったが、
結婚を機に、山賊思考が多少はマシになったせいか
嫁に誘われた時に嫌悪感は無く、ちょっとワクワクしていた。
行って知った。
最近の(?)ジムってすごいわ。
ダンベルとか胸筋をガシャガシャする器具、そんでランニングマシンが並んでいるのかと思いきや
それは当然ある上に、
スタジオ(?)と呼ぶんでしょうか。
人間100人くらいが入ってみんなで運動するとこがあったり、プールあったり
極めつけは風呂、しかも露天風呂・サウナもありの。
運動して汗かいて風呂。
最高やわ。
風呂だけでも価値あるわ~と思っていたら
明らか風呂目的のおっさんズいっぱいおったし。
まあ、しいて言うなら
備え付けのリンスインシャンプーだけ。
あれはなんか良くない薬剤をいっぱい詰め込んでそう。
自分で持っていこうね。
しばらく通うわ。
それでは。
令和4年度 宅地建物取引士試験
令和4年10月16日、快晴。
秋風が頬をくすぐり、あたたかな日差しが心地よい。
橋下を流れる水面からは魚が飛び跳ねた。
なんかいいことありそうだ。
そんな日曜日。地方公務員土木職である私、
宅地建物取引士資格試験、いわゆる宅建試験を受験しました。
受験会場はどこぞの学校。
軽く見渡せば、ざっと千人以上の受験生たち。
若者からベテランまで、顔ぶれ様々。
試験時間は2時間ぴったし。
合格点の相場は概ね7割の35点とのこと。
指定された席に座り、注意事項の説明が終わる。
しばらくして、試験がはじまった。
開始直後は順調。
〜30分経過〜
〜90分経過〜
〜120分経過、試験終了〜
うん、落ちたわ。
圧倒的勉強不足。
まあね
2週間前から焦って勉強したところで、そりゃ無理でしたわ。
逆に勉強すれば(勉強すれば!)受かるという確かな手応えを得ることができた気がするので来年、合格することを決めたのであった。
さて、
持ち帰った試験問題を見返すより前に、
試験について、自分自身と向き合いたいと思う。
いや、向き合わなければいけないのだ!
その辺の居酒屋にフラッと入る感じで受けた宅建試験。
② 受かったあとは何がしたいのか
この2つは明確にしておかないといけない。
フワフワしてるから、いま。
(①と②は突き詰めると重複するかもしれないけど、今はいい感じに分けて考えるようにする。)
実はこうやって自分と向き合う事の大事さ・面白さ、というのに最近気づいた。
なんで自分はこの行動をしたのか?考えると面白い。
でも、それを文字にするって難しい。
とにかく向き合っていこう。
Q1 なぜ試験を受けたのか
A1 受けやすく、受かりそうで、響きが良くて、仕事にも活かせる部分があるから。
↑宅建試験は非常に受けやすいのだ。実務経験なくて良いし。
次に、受かりそうというのは勤務している市役所内でも試験合格者を時々見かけるから。
あ、あなた受かってるんですか?じゃあ私もイケるね。
そんな感じ。まあ落ちたけど。
なお、合格率は王手予備校サイトによると15〜18%
合格率で言うと受かりそうではないが、そこは頑張るのだ。落ちたけど。
さらに、国家資格だから響きも良い◎
最後に、仕事にも活かせる。
自分は土木公務員なので、試験勉強が仕事に活かせることしばしあり。都市計画法関連なんか特にそう!
(なお、宅建試験で一番出る宅建業法は仕事に全く活かせない模様。)
Q2 試験に受かったあと、どうしたいのか
A2 受かることで、自己肯定感を高めたい。資格取得により人と異なる存在となりたい。
…
なんか、答えになってないよね〜。どうしたいのか!ではないよね、分かってる〜。
明確にしなければ〜!とか言っときつつなんやこれは案件勃発。
考えたけど、今はこれだわ。
資格取得し、転職!という思いも今のところ無い。
人と異なる存在になりたい、というのは公務員でのらりくらりとぼーっと生きて、可もなく不可もない生活をし続け人生消費するのでは無く、自分という人間の価値を高めたい(人と異なる存在)、と常に思っている。
そのための手法の一つが、資格取得による他人との差別化、なのかなぁ。(あれ?俺って他人と自分を比較しているのか???とここで気づき、何故?と考えるが、それはまたゆっくり考えたい)
あーあと、
常に昨日の自分より、知識をつけていたい。
こういう思いも常にある。
(知識を付けることがゴールなのか?)
そんで、
それなら仕事で実務こなし知識付けつつ、土木系の資格取得でいいじゃないか、となりがちだけど(例 施工管理技士、技術士等)
嫌なんよね。なんか。ひねくれとるから、性格が。
土木分野を極めることも素敵だけど、広い分野の知識を知りたい思いの方が今は強い。
勉強した知識使うときすんごい楽しい。
散歩しているとき、事業用定期借地権の看板をみて「あっ、これは!」となったのがつい先日。
職場でも活かすとき最近多い。
(知識を活かすことに喜びを感じるなら尚更土木の資格取得に向けた勉強したほうが善いのかも。)
いや、今まではそのアンテナ張ってなかっただけなんかも。
いやはや
世界が広がった実感。
これがすごい楽しい。
わくわくする。
世界は知らないことで満ち溢れている。
ので、少しでも知ると面白いよね。
今後も勉強は続けていきたいし、
それを目に見える成果として資格取得等で表していきたい。
そんで自分がどうしたいのか、何になりたいかをもっと考えていこうね。
それでは。
歌乗っ取り
『歌乗っ取り』に関していえば、『崖の上のポニョ』が最強だと思う。
いきなり何を言いだしたのか…と思われるだろう。
ポニョは心温まる海物語なので乗っ取り要素など無い!
と思われた方々、誤解を招いて申し訳ないが、ゆっくり聞いてほしい。
整理しよう。
想像してほしい。よくあるシーンだ。
自分が歌を歌っている、鼻歌がいいな、宇多田ヒカルでも歌っていたとしよう。
突然、横から友達が違う歌を歌ってきた。
鼻歌じゃないボリュームだ、うるさい。
さて、どうなる?
⇒ 友達ソングに引っ張られ、あなたの中で宇多田メロディーが崩壊し、いつの間にか友達ソングを歌ってしまう。
これ、あると思います。
この現象について、『歌乗っ取り』と今だけ呼ばせてほしい。
人の歌を乗っ取りやすい=つまり(そういう意味では)強い歌にも条件があり、中島美嘉の「雪の華」のAメロでは恐らく無理だ。
じゃあどんな歌が乗っ取りに適しているかということなんだけど
専門家によると、以下4点が乗っ取りに適した歌の条件であるらしい。
1.乗っ取られる側が知っている。
2.歌いやすい簡単なメロディー。
3.アップテンポ。
4.破壊力がある≒うるさい。
ここで思い出してほしい。
そう、崖の上のポニョ。
…見えるだろうか、崖の上から不敵に薄ら笑いするポニョの姿が。
恐る恐る、ちょっと歌ってみよう。
ポーニョ ポーニョ ポニョ さかなの子
青い海からやってきた
ポーニョ ポーニョ ポニョ ふくらんだ
まんまるおなかの女の子
………
もういい。
もう充分だろう。
特筆すべきは、なんといってもはじまりの『ポ!!!』
開始早々特大アクセント、フォルテッシモだ。
このフォルテッシモ、いわばポニョテッシモにより必殺先制パンチでどんな歌をも乗っ取ることができる。
万が一、このワンフレーズを耐えることができたとしても、さかなの子~の後には、今度は膨らんだポニョが襲い掛かってくる。
もう無理だ。
一緒にポニョを歌おう。
パクパクチュギュしよう。
そして一緒に青い海へ帰ろう。
…
なお、2連ポニョポニョを耐えることができたら、イントロに入るため猛攻は収まり逆転勝利の兆しがあるが、そこまでたどりついた人類はいないと言われている。
…
結論
ポニョが最強。
夏休みに恒例と化した金曜ロードショーかなんかであるらしいね。
よい夏を。
それでは。
はじめての全身麻酔
5月某日、ついに手術することが決まった。決まってしまった。
大した病気では無いけど、今後のために手術を行う。
自分への投資だ、全身麻酔を添えて
手術にあたり、
事前検査や当日入院が必要となり仕事休み連発するので係長にその旨を伝えたところ、
「いくらでも休め、体が一番大事、仕事のことは任せろ。」
アンミカも驚くホワイト発言で背中を押してくれた。
ありがとうございます。
自分もこういう言葉かけれる人になろうと誓った。
「あっ、聞いた話だけど、たまに麻酔から目覚めないこともあるらしいけ、気いつけて。」
自分に立てた誓いを秒で破った。
係長よ、気は確かか。
部下の不安をアイスピックでほじくり回すようなことがよく言えたなと思う。
てか気を付けるって何にだ。ブラックコーヒーでも飲んでおけばいいのか。
とにかく職場の休みをキープしたので、一抹の不安とともに病院へ向かう。
手術するには
その概ね1週間前に病院へ行き、事前検査を受けたり、麻酔等に関して医者からのOKをもらう必要があるらしい。
面倒だ。
一通りの検査をし、同意書みたいなものも書かされた。
「万が一ミスったらごめんね!それでもおっけ?」
結論:良くはない。
良くはないけど書かないと前に進めない。
今流行りの同意書マウントを取られてでも俺は進む。
自分に何かあったらこの同意書を親族等に見せつけられるのかと思うと署名も特別丁寧に書き上げた。事前検査は終わった。
手術まであと1週間。
その間に気を付けることは圧倒的体調管理だ。
万が一にでもコロナになろうもんなら手術自体がなくなってしまうので、他人との接触は極力控える。
そして、迎えた当日。
不安で8時間しか眠れなかった。
朝早くから病院で検査し、昼過ぎに手術、術後1泊入院し翌日の夕方には退院。
そんなスケジュールを組まれている。
当日は朝から絶食。
なんやかんやの検査を受け、手術までの間は病室で待機。
待ち時間はとても長く感じた。
本やスマホを見ていたが頭へ入ってこない。
狭い窓から見える空がきれいだった。
どのくらい待っていたかは覚えてない。
その時が来たようだ、看護師が俺を呼んでいた。
手術フロアに移動した。独特の雰囲気と暗さを感じる。
ワンフロアには手術室が3室くらいあるようで、そのうち1部屋は手術中のランプが灯っていた。
手術部屋に足を踏み入れる。思ったより広かった。
着くや否や、いそいそと俺を手術台に寝かせる看護師たち。
とにかく手術台が細い。
シングルベッドの3分の1くらいでろくに寝返りも打てやしない。寝返るようなシーンはないだろうけど、だとしても狭い。
もしや手術台の相場は細目と決まっているのだろうか。初めてなので分からない。
そして、あれよあれよという間に慣れた手つきで手足にわけのわからん器具が取り付けられる。
1人の看護師が「まずは針だけですよ~」というよくわからない言葉を発しながら腕に針をぶっさす。
針太っ!献血の時よりだいぶ太いぞこれ。
ちなみに自分は注射の瞬間を凝視するタイプ。刺さる瞬間は見逃せない。
腕と針がリンクしたことにより、いつでも麻酔を流し込める準備は整ったみたいだ。
ふと、気づいたら4、5人のにぎやかな看護師に囲まれていた。
なんか楽しそうに話している。たぶんプライベートな話。俺まだ麻酔入ってないのだが?
肝心の麻酔はまだなのか。
焦らしプレイに耐えきれずに聞いた。
「麻酔はまだですか。」
「まだですよ~するときいいますからね~。」
「麻酔したら10秒くらいで意識がなくなりますからね~。」
口調とは裏腹に麻酔の始まりが意識の終わりだとはっきり告げてきた。
いいだろう。このあたりで緊張がほぐれ、頭がクリアになってきた。
なるほど、10秒で意識が飛ぶのか。
ならば自分は意識を保ちに保ち看護師さんたちに意志の強さを見せつけてやろうじゃないか。
どこかに忘れてきた落ち着きを取り戻していた。
刹那、
正常に戻ったはずの脳内がどろり溶けてく感覚に襲われた。
脳の感覚はすぐさま視界に反映された。
世界が、ぐにゃり…。
「あの、なんかちょっと変な感じが…。」
「あ~麻酔きてますね~。」
きてますね~じゃねーよ!マリックみたいなこと言うな。
麻酔入るとき言うって約束したじゃん、えっこれもう駄目なやつ?ああ、カイジみたいになってきたわ、ダメなやつだわ、わかるわこれ、意識保てないわ、てか先生きてなくない?ちゃんとくるの?
おそらくだが10秒ほどで意識が消えたのではないだろうか。
意気込み虚しく、麻酔の前では何も抗えなかった。
そして、目が覚めると手術は終わっていた。
しっかり意識は飛んだままで術中覚醒も無ければ目覚めないこともなかった。
よかった。
無事終わりましたからね~。
担架で運ばれて病室へ。
初めての手術、全身麻酔が終わった。
今回の反省としては、やはり麻酔に入るタイミングだ。
看護師さんの高等テクニックにより、いつから麻酔が注入されたかを煙に包まれた。
次があれば、麻酔導入から果たして自分が何秒まで意識を保てるか、正確にカウントしたいと思う。
ちなみに
手術よりその後の方が大変だった。
麻酔が切れてくると、手術箇所の痛みがじんわりと始まり、
痛みはボレロのようにだんだんと盛り上がっていき、その晩にピークを迎えた。
痛み止めを飲んでも腹に響く痛み。
動けない、トイレもいけない。しかし催す。
ベッド横に置かれていた、し尿瓶。
痛みに耐えながら、初めて瓶に小便した。
そのときに気づいたんだけど、
下腹部の縦横3cm程度の正方形、不毛地帯ができていた。
やるなら全部持って行ってくれ、恥ずかしい。