「計画段階こそ最も情報量が少ない」
こんばんは。
GWいかがお過ごしでしたか?
最近は仕事に振り回されてゆっくりする時間が取れなかったので、GWこそは!と一念発起し、自分と無縁の渋滞情報を見ながら白飯を喰らい、本を1冊読みました。
⇒ 地方創生大全 木下斉(ひとし)
本書には、市役所(土木職)として、この胸にささった言葉・フレーズがいくつかあったので、そのひとつをここに書き留めることで備忘録にしたいと思います。
さて早速、
「なぜ自治体は非現実的な計画を出してしまうのか」
204ページの小見出しにはこう書かれている。
おいおい、すっげー心当たりがあるよ。
誰かが言っていた「非現実的な計画がみたけりゃ自治体に行くといい。」
では、なぜ?
なぜ、そんな非現実的な計画がポンポコと排出されているのだろうか?
この問題提起に対して、筆者はいくつかの意見を述べる。
・社会構造が今と昔じゃ大きくチガウのに昔ながらの計画してるー…!
・補助員確保のために建前を並べてー…!
等もあったが、俺の胸筋にチクと刺さったのは下記の意見だ。
「計画段階こそ、最も情報量が少ない。」
・初期に予見できる情報には限りある。
・プロセスを踏むにつれ情報増加し、的確な意思決定できる。
・初期段階ではそもそも正確な計画など立てられない。
ということらしい。言ってしまえば、
「計画決めたけど、今の情報だけじゃ今後どーなるかはわかりまへんで~~~!」なのだ。
んんぬぁんて無責任な!そう思われるかもしれない。
けど自分は、わりかし真理だな~って思ったわけ。
我々は職業柄「計画」に縛られている。
計画は王様で、
「計画にあることは~?」「ぜったーい🍺!」
と言わんばかりの計画様ゲームに強制参加させられる日々。
今俺がやってる道路事業だってさ、計画されたのは何十年も前のこと。
だから住民からこんな声が結構出るわけ↓
「え、そんな道路は必要なの?なんの為?」
「今後人口減るのに、その規模である必要あるの?」
おおお仰る通り!私もそう思います!
情報量が少なかった当初計画を、真面目に大事に大事に守り続けていった結果がこうなっているんよね。
それでは、どうすればいいんだよ!
ということに対し筆者はこう述べている。
・取組を始めた段階の情報では「そもそも正確な計画など立てられない」と、最初から諦める。
・取組を進めていく中で得られた情報をもとにして、規模や内容をどんどん変更すべき。
・そういった「調整」をする時期と基準を初期に定めておく。
・場合によっては躊躇なく撤退を決断できるよう初期に撤退基準を設けておく。
諦めよ!
…なるへそ~確かに。
当初計画なんてあてにしちゃダメダメよ!
途中途中で見直ししてね、もう駄目~ってなるくらいならやめようゼ☆
というわけ。些か乱暴にも見えるが。
しかしながら、ここで大きな問題がある。
俺は市長でなければ局長でもない、いっぱしの兵隊なんだわ。
職場の構造的に、自らの手で計画を思い通りに修正することができない。
俺の任務は軌道修正をかけることでなく、
非現実的な計画と分かりつつもそれが当然かのように…遂行する!
それが求められている。それする奴が偉いこの世界。
え、ちょっと待て~~イ!
計画修正が物理的不可能なら、この解答にはなんの意味もないやん!
と言いたくなるところですが、
要はメンタルよ!メンタルお薬です、処方しときますね〜ってこと。
上司や外部から、「なんで計画通りできんのんや~(怒)!」と詰められても
この計画では元から無理ですよ…。てか見直しもせずに、ここまで負債を膨れ上がらせてきましたね~(遠い目)の感覚でおれば、自分の頑張りが足りないからできないんだ~(涙)みたいな気持ちにならんで済むよね。
怒られ続けたら、
私のせいで申し訳ないです~!みたいになることだってあるもんね。正常な判断ができんくなってから。体壊すよ。
そうならんためにも計画通りなんてできるわけ無いことを認めよう。
うん、認めよう。
あとはね「計画段階が最も情報が少ない」というフレーズ、(怒れる)住民対応でも使えるかな~と思いましたわ。
まあこないだ使ったんやけどね、使用感よかったわ。
≪実際にあった事例を紹介します。≫
シチュエーション:道路整備事業が予定より大幅に遅れてることに対して
住民A「令和●年にできる計画だったんやないんか?なんでまだこんだけしかできてないんや!おぉ!?」
ワタクシ「計画を決めた時が一番情報少なかったからですね~…計画進めていくうちにいろんなことが判明したりコロナで世界情勢が変わったりしてウンタリカンタリ~ペロリヌス~」
住民A「あ~もう分かったわ!とにかく早よせえよ!」
ワタクシ「うっす!ガンバリます!出口はあちらです!気を付けてお帰りください!」
☆ポイント
「もともと非現実的な計画だったんですよ~」という言い方はサルでもわかると思うがNGである。
まっ、そういうわけでね、俺らは計画から容易に撤退できるような立場ではないにせよ、その降り注ぐ怒りや不純物等から我が身を守る言葉ではあるんかな~と。
なお、この本ではほかにも新たなる知見があったので、忘れんようにしたいね~。
うんうん。
そんなこんなで話は全く異なるが、
今、筆者のTwitter見たらこのツイートで公務員の皆様からクッソ反感買って炎上してたわ。
役所人事で驚くほど多いのは「体調不良」なんですよね。
— 木下斉 / 「日本の構造問題」を斬り、解決する! (@shoutengai) 2023年4月18日
お腹いたい、じゃないけど、そもそもが激務なのか(見えないけど)、そういえば職場の業務から回避できるみたいなところもあるのか、そもそも、体が弱いのか、不思議だけど民間人では聞かないほどに、すごい高い確率で発生している。
それでは。