himitsukichi

最近ブラックコーヒーを自ら飲むようになりました

連続無事故日数をのばぜ

 

先日、珍しく出張があった。しかも東北にて。

 

東北地方には、片手で数える程しか行ったことないが、人々が扱う独特の訛りには毎度癒されるものだ。

 

 

長時間の移動を終え、降り立った駅。

澄んだ空気で肺を膨らませた。広がる空に包み込まれそうになる。

 

どこか時間の流れがゆるやかに感じる。

 

 

出張は金曜日だったので、

その地で一泊し、翌日はレンタカーを借り周辺を回ることにしていた。

 

翌朝、曇り空から時々太陽がのぞく。

 

この時期にしては暖かいようだ。

 

ホテル近くのレンタカー屋に到着し、手続きも終わりに差し掛かった頃、

担当してくれた女性店員が諭すように語りかけてきた。

 

受付女性「最近事故があっだので、気をづげてぐださいね。」

 

 

 

 

あ、訛ってる。かわいい。

 

…え?事故?かわいくない。

 

訛っている店員さんは、諭し終えると同時に目線を横にうつす。

その視線の先には「連続無事故日数」をお知らせしてくれる看板が、控えめに置いてあった。

 

こんなやつ ↓

 

出典:丸正運送株式会社



参考画像は110日連続で無事故みたいだが、レンタカー屋の連続無事故日数はというと…

 

「4日」

 

 

短っ…

ほんまに最近事故があったようだ、しかもド平日に。

 

 

興味本位で聞いてみた。

 

自分「4日前に事故あったんですね~。ちなみにその前は無事故何日続いたんですか。」

 

店員さん「さぁ何日だったですがねぇ。でもね、前の事故も最近のごどですよ。無事故ってなかなか2桁続かんのですよ~。(遠い目)」

 

さも当たり前のように無事故は2桁続かないと豪語する店員さんだが、その表情にはどこか悲壮感なるものを感じた。

 

 

店員さんが醸し出す雰囲気。どこか未亡人のような哀愁に飲まれそうになるが、なんとか踏みとどまり冷静に考える。

 

いやいや、ちょっと待ってくれ。

2桁続かないとかあるん?小学生の大縄跳びの方がまだ続くよ?

あとその遠い目ヤメロ。

 

 

 

…事故が多いとなると、もう一つ確認しなければならない。

 

自分「もしかして、この県の人たちって運転マナー悪いんですか。」

 

この質問は県民全員をもれなく敵に回す恐れがある。

しかし、とても大事な確認である。

 

なぜなら、単に運転下手くそが事故ったのか、はたまたここが修羅の国なのか。

 

 

それを知っておかなくてはならない。対策を立てねばならない。

 

願わくば、この地は安全運転の文化であれ。

ここ最近はたまたま運が悪かっただけだと言ってくれ。

 

そう願う自分に対し、店員さんは目を見開きカウンターから身を乗り出し気味に言う。

 

「ぞうなんですよ~~!マナーわるいでずからね!!!」

 

修羅の国だった。

 

 

背筋にぞっと寒気が走った。これが東北の寒さか。

 

 

免責補償を一番いいやつにしておいて良かった。

 

 

 

車体に乗り込む前の確認には、いつもの倍の時間をかけた。

 

 

「ぎをづけでぐださい。」

 

もはや訛りなのか、安全を願う悲鳴なのかが分からなくなってきた。

 

 

ただ、おかげさまで教習所以来の安全運転を東北で披露し、無事故・無違反で旅を終えることができた。

 

 

 

ありがとう、訛り。ありがとう、無事故カレンダー。

 

 

 

 

 

…でも、確かに県民の運転マナーは悪かったなぁ。

 

 

 

 

 

車体に傷一つ付けなかったことをさきほどの店員さんに報告すると、優しく微笑んでくれた。

 

 

そこは訛ってくれよ…。

 

 

 

 

 

これを書く頃には、連続無事故日数が2桁続いていますように。

 

 

 

それでは。